社会情勢の影響により、エンジンオイルが品薄であったり、値上げになったりと様々なニュースが連日報道されていますよね。実際身近な整備工場やカーショップに行ってもエンジンオイルが入荷しないために断らざるを得ないという話も…
政府は原油調達に関して前年度と同程度は確保できているとニュースで報道されていますが、現場では足りないといわれている理由は何なのか、現状行うべき対応策についてご説明します。
もくじ
エンジンオイルの値上がりや品薄の理由は?
2026年8月現在もエンジンオイルの値上がりや品薄になっている理由は、中東情勢悪化が主な原因です。この状況が複合的に関係しており、値上がりや品薄に関係しています。順にみていきましょう
原油価格の上昇
エンジンオイルは原油から精製されるベースオイルと性能を上げる添加剤で構成されています。原油生産量が減少している2026年8月現在、ベースオイルが特に不足している状況となっています。背景として、世界有数のエネルギー生産工場・油田が機能停止したことがあげられます。
特にベースオイルの中でも精製を重ねたGroupⅢに関しては、2026年1月に比べて2倍以上価格が上がっており、現在も上がり続けています。一方鉱物油として扱われるGroupⅠなどは日本で生産できることもあり、他のベースオイルと比べて価格は少し落ち着いてきた傾向にあります。
輸送コストの増加
本来運ばれていた海運ルートが使えなくなり、別ルートを選択せざるをえなくなりました。その結果、本来のルートに比べて輸送距離・時間が大幅にかかり、コスト増加につながったため、価格にも反映される結果となりました。
需要と供給のバランス崩壊
エンジンオイルは2026年3~6月と比較すると手に入りやすいといわれていますが、依然品薄状態です。よくニュースでも店舗や整備工場のエンジンオイルが足りない状況が取り上げられていますよね。エンジンオイルの入荷量が少ない・されないために、店舗や整備工場の中にはエンジンオイル交換を断る・値上げをするというところもあります。
他の国から仕入れた原油はどうなのか
記事をご覧になっている方の中にはこのように思う方がいるかもしれません
参考までに、経済産業省によると令和8年6月分の返油輸入量は以下の通り
(1)アラブ首長国連邦(359万kl、前年同月比72.7%)
(2)アメリカ合衆国(324万kl、同7299.8%)
(3)サウジアラビア(217万kl、同69.4%)
(4)クウェート(50万kl、同87.4%)
(5)エクアドル(19万kl、前年同月実績なし)
原油総輸入量は前年同月比105.9%
中東依存度は62.3%と昨年の97.7%に比べて35.4%も下回り、アメリカからの輸入量は増えた結果となっています。(経済産業省 石油統計速報 令和8年6月分参照)
確かに原油輸入量は減っていないのに不思議ですよね。
これは産地によってとれる原油の種類が異なることが理由として挙げられます。
中東アジア:パラフィン系
アメリカ・ロシア:ナフテン系
この2種類は同じ原油でも特徴が異なります。例えるなら軟水と硬水のようなもので、同じ水でも成分等は少し異なるのと同じです。小さく見える違いでも、製造の観点で見れば大きく異なります。
日本は原油の輸入を中東に依存してきたため、パラフィン系のオイルからエンジンオイルを作ることに適した工場設備が大半を占めています。パラフィン系のオイルに対応した設備では、ナフテン系のオイルを使ってエンジンオイルを精製する事が難しく、ナフテン系のオイルに対応した設備が日本には少ないということが大きな問題として挙げられます。そのため、企業努力により各社ナフテン系のオイルでもパラフィン系の設備に使えるかどうか試行錯誤しているのが現状なのです。
このような理由が重なりエンジンオイルが手に入りづらい状況になっているといえるでしょう。
補足:パラフィン系とナフテン系の違い
様々な性質の違いはある中でエンジンオイルに関連する点を挙げるなら、粘度指数に大きな違いがみられます。粘度指数とはエンジンオイルの温度変化による粘度の代わりにくさを表す数字で、数字が大きいほど粘度変化がおきにくいことを表します。パラフィン系は粘度指数が100前後あるのに対し、ナフテン系は0のものもあります。他にもパラフィン系の方が引火点が高いなど、過酷なエンジン内環境でより耐性があります。どちらもエンジンオイルを製造できますが、以上の理由から一般的にパラフィン系の方が使用されています。
現状できるエンジンオイル交換対策は
様々な要因でエンジンオイルが不足しているとはいえ、エンジンオイルを定期的に交換しなければ自動車は壊れてしまいます。エンジンオイルの交換は大前提必須ですが、エンジンオイルの交換頻度を減らす・性能が保証されたエンジンオイルをよりお得に入手するなどの現状に応じた対応策はあります。
回復の兆しが見えない中、普段エンジンオイルをカーショップや整備工場に依頼している方でも参考にできる方法を紹介します。
普段カーショップや整備工場でエンジンオイル交換をしている方には
オンラインショップ等で事前に購入し持込交換する
カーショップや整備工場でエンジンオイル交換を断られる理由はエンジンオイルがないことが大きな要因です。そのため、持込交換可であれば、事前にエンジンオイルを購入し持込での交換をすることで断られる・予想以上の値上がりの状況に対応することができます。
カーショップで交換する場合は店頭にエンジンオイルが手に入るかもしれませんし、大手オンラインショップサイトだと様々なエンジンオイルがお手頃の価格で販売されているので、オンラインショップで購入して持参するのもおすすめです。
他にもどのエンジンオイルを使用したかわかることで、次回の交換時にも参考になるというメリットもあります。
エンジンオイルをよりお得に購入するには
20L缶を購入する
保管スペースがある方は20Lサイズで購入することもおすすめです。1L当たりの価格が4Lよりも安いことがほとんどで、エンジンオイルを頻繁に交換する方にはとてもおすすめの方法になります。20L缶は業者の方が購入しているイメージもあるかもしれませんが、個人の方の購入も多いです。現状エンジンオイルの価格改定を行っている企業様も多いため、価格が上がる前に購入したいという方にもおすすめです。
高性能エンジンオイルで交換頻度を減らすには
ロングライフオイルを購入する
ロングライフオイルとはその名前の通り、一般的なエンジンオイルに比べて耐久が高く、交換目安距離が長いエンジンオイルの事です。基本的にエンジンオイルの交換頻度は5,000kmもしくは年2回が目安と言われていますが、ロングライフオイルは10,000km対応可のものもあったりします。走行環境も影響するため一概に長距離使えるとは言えませんが、1つの大きな選択肢と言えます。基本的にACEA規格のものはロングライフ性能が高いです。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
日本車で使用できる環境重視のロングライフオイルとは?メリットやデメリットについて解説!
最新規格のエンジンオイルを使う
日本ではガソリン用エンジンオイルはAPI規格、ディーゼル用エンジンオイルはJASO規格が主流です。中でもAPI規格は数年ごとに規格が更新されていき、2026年現在はSQが最新の規格表記になっています。新規格は過去規格の性能に+αしたものであるため、互換性があります。交換頻度が劇的に改善するわけではありませんが、より耐久性能が上がっているため、迷った場合は最新規格のものを選ぶといいでしょう。
SQ規格の性能についてはこちらの記事をご覧ください。
【API規格SPをさらに行く最新規格】話題のSQ低粘度エンジンオイル0W-20を徹底解剖!
まとめ
いかがだったでしょうか。依然として厳しい状況が続いておりますが、賢くエンジンオイル交換をするにも様々な選択肢があります。1つでも当てはまるものがあればぜひこの機会に新たな選択肢をお試しください!
日本発の中古車輸出企業からスタート。30ヶ国以上で実績を積み高品質な自動車部品の自社開発も手がけます。エンジンオイル・ブレーキパッド・オイルフィルター・エアフィルター等、こだわりのMADE IN JAPANを世界中へ届けています。




