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愛車のメンテナンスの1つにエンジンオイル交換があります。必要な作業とはいえ、普段エンジンオイルを交換することは手間に感じる方もいらっしゃるかと思います。また、交換時期や距離などの様々な判断基準があり、悩んでいる方からの質問もよく頂きます。正直なところエンジンオイルは様々な種類があり、愛車の状態によって最善のものが変わってきます。迷った結果エンジンオイルの交換を先延ばしにしてしまうことも…
交換頻度で言えば、聞きなれない言葉かもしれませんが、ロングライフエンジンオイルというものが存在するということはご存じでしょうか。文字から想像できた方もいらっしゃる方も多いかと思いますが、従来の商品の倍以上走行可能なエンジンオイルで、愛車のエンジンオイルの交換頻度を減らし、負担を減らすことができる仕様になっています。
実はエンジンオイル業界でも近年どんどんエンジンオイルの研究が進んでおり、2025年3月末には日本では主流のAPI規格の新規格がリリースされました。現行のSP規格ではいわゆる省燃費化や環境対策に基づいた調整が主でしたが、新規格ではさらに長期使用を意識した内容になっています。(新規格について詳しく知りたい方はこちらの記事をご確認ください)
上記は一例ですが、今回はそのように進歩しているエンジンオイルの1つであるロングライフエンジンオイルについてご説明していきたいと思います。

もくじ
ロングライフエンジンオイルとは?
ロングライフエンジンオイルとは、一般的なエンジンオイルに比べて交換目安距離が長いエンジンオイルです。一般的なエンジンオイルは5,000km前後、または年2回の交換が目安といわれていますが、ロングライフエンジンオイルの場合は10,000km、ものによっては30,000km対応可としているエンジンオイルもあったりします。日本でも近年エンジンオイルの研究が進み、少しずつロングライフエンジンオイルをみかけるようになりました。


ロングライフエンジンオイルに当てはまるものは?
ロングライフエンジンオイルに該当するエンジンオイルでも、パッケージにロングライフと表記されていないものが多いため、どれがロングライフエンジンオイルかわからないかと思います。実際に店頭でエンジンオイルの缶を見ても交換目安距離がわからず、長距離でも対応できるのか悩むこともしばしば…。もちろん、各オイルメーカーが公表しているものもありますが、実際HPなどをしらべる手間もかかるかと思います。
そのような場合の判断基準の一例として、ヨーロッパ車に対応したACEA規格A3/B4(ガソリン・ディーゼル車対応)、C3(ガソリン・ディーゼル車対応+GPFやDPF付き、いわゆるクリーンディーゼルなど環境対応)を選ぶのが良いかもしれません。ヨーロッパでは高速道路が発展しており、中でも有名なものの1つにドイツ全土を網羅しているアウトバーンがあげられます。全長13,000kmほどあり、区域によっては速度制限がない場所があるため、欧州車にはこのような条件に耐えられるエンジンが求められる背景があります。そのため、必然的に長距離走行に対応できるような自動車設計となりました。エンジンオイルも例外ではなく、エンジンオイルの規格では長距離にも適応した性能が求められるようになったのです。
日本車にはつかえないのではないか?と思われるかたもいらっしゃいますが、ACEA規格だけではなく、日本で主流のAPI規格も同時に取得した高性能エンジンオイルも存在します。そのようなエンジンオイルはロングライフエンジンオイルといえるかと思います。


ロングライフエンジンオイルのメリット
長距離走行に対応できるということで性能面で優れていることがメリットといえます。中でも大きく2点あげられるでしょう
エンジンオイルの交換頻度の軽減が見込める
長距離使用でも劣化しづらいため、1回あたりのエンジンオイルの交換目安時期が延びることがあげられます。普段あまり時間を取れない方や、エンジンオイルの交換を手間に感じる方にはありがたい商品ですよね。1回あたり30分前後ですが、ご自身でされる場合はエンジンオイル以外にもオイル処理パックなどの別途追加の道具を準備する必要がありますし、お店で依頼する場合も予約や移動時間、追加費用など手間がかかってしまうことも事実です。そのような負担を減らしたい方にロングライフエンジンオイルはオススメの選択肢になります。
エンジン保護性能が高く、劣化しづらい
ロングライフエンジンオイルに配合されている添加剤は通常のエンジンオイルに配合されているものと比べて配合量が多くなります。長距離・長期間を見越したエンジンオイルのため、エンジンオイルに配合されている添加剤の一例として、エンジン内部を綺麗にする清浄剤や酸化による劣化を抑える酸化防止剤などが多く含まれます。また、ロングライフの性能を満たすために、添加剤の質にもこだわったものを使用しています(こだわらないと基準が満たせないことも…)。その結果、長距離でもしっかりとエンジンを保護し、劣化しづらい性能になっています。
ロングライフエンジンオイルのデメリット
性能面で優れているロングライフエンジンオイルですが、価格面では高めになっています。
価格が高め
先ほどメリットで上げましたが、ロングライフエンジンオイルは通常のエンジンオイルと比較して使用されているベースオイル・添加剤の質や量が多いです。その結果、ロングライフエンジンオイルは通常のエンジンオイルに比べて価格が高くなってしまいます。ただ、一方でエンジンオイル交換の頻度をへらすことができるため、総合的にみた場合にコストが安く済む可能性もあります。
ロングライフエンジンオイルの注意点
ロングライフエンジンオイルを使用するうえで1点気を付けてもらいたいことをお伝えします。
自動車のメンテナンスは定期的にする
ロングライフエンジンオイルは一般的なエンジンオイルに比べて交換目安距離が長いエンジンオイルであることがうりではありますが、過信は禁物です。ロングライフエンジンオイルだからと気持ちが安心しきってしまいがちですが、エンジンオイルを交換しなくていいというわけではありません。エンジンオイルが問題なくても、オイルフィルターが劣化した結果、エンジンオイルが清浄されずにエンジンが壊れてしまう可能性があります。あくまで一例ではありますが、エンジンは自動車の心臓部です。エンジンオイル以外にも何らかの問題によりトラブルにつながる可能性もあります。ロングライフエンジンオイルとはいえ、定期的なメンテナンスは怠らないように注意しましょう。

ロングライフエンジンオイルに合う車、合わない車とは
ロングライフエンジンオイルはとても便利なエンジンオイルではありますが、相性が合う自動車・合わない自動車はあります。
ロングライフエンジンオイルに合う車
エンジンオイル交換目安距離が長いためにメンテナンス頻度が少なく済むというロングライフエンジンオイルの特性上、走行距離が新車~100,000km程でメンテナンスが行き届いており、メンテナンスの頻度が少なくて済む車は合うといえます。エンジンのみならず、他のパーツでも不良個所が出づらい状態であるため、ロングライフエンジンオイルの本来の意図とマッチしています。また、高速道路などでスピードを出したり、長距離を頻繁に移動する方にもおすすめです。ロングライフエンジンオイルは長距離走行によって油温が高温になった状態でも粘度が安定するため、しっかりとエンジンを保護できます。普段休日に高速に乗って家族で出かけたり、なかなかエンジンオイルを交換するタイミングがない方にとっては最高のエンジンオイルといえるでしょう。
ロングライフエンジンオイルに合わない車
旧車など定期的にメンテナンスが必要な車は、ロングライフエンジンオイルのメリットであるメンテナンスの頻度を減らせるという点を活かすのが難しいかもしれません。長期間メンテナンスを怠ると、エンジン回りにダメージが入っていることに気づかず、最悪の場合廃車になってしまうことも…(一例としてはエンジンオイルが本来入るはずのない燃焼室に入り、オイルが減っていく現象であるオイル上がり・オイル下がりなど。エンジンオイルが減ることで冷却機能が足りず、オーバーヒートしてしまう可能性も)。
ただし、あくまで保護性能などエンジンオイル自体の性能は高いため、ロングライフの恩恵は受けられないですが、普通のエンジンオイルと同様の間隔でオイル交換する分に関してはしっかり性能を発揮して使用できるかと思います。月200台以上中古車を販売してきた経験がある筆者の意見としては、あくまで旧車(過走行車)のエンジンオイル交換はロングライフ問わず、こまめに行うことをおすすめしています。旧車専用のエンジンオイルはこちらをご覧ください。
ロングライフエンジンオイルがぴったりな人の実例3選
実際にロングライフエンジンオイルに魅力を感じて探されている方も多いと思います。では実例を3点ほど挙げようと思います。
ケース①
車種:MAZDA2 4WD ディーゼル車 業務用兼私用車
走行距離:70,000km
使用頻度:毎日の通勤で大阪から奈良まで片道1時間ほどの距離を行き来。市販のエンジンオイルを量販店に持込交換。交換頻度は7,000km毎が多い。
ロングライフならではのポイント:通勤往復2時間という長距離を少なくとも週5で行っているため、年換算で約20,000km。通常なら年に3~4回ほどエンジンオイル交換をする必要があるところ、年2回ほどのエンジンオイル交換で済むため、負担が少なく済みます。
ケース②
車種:プロボックス ガソリン車 業務用車
走行距離:50,000km
使用頻度:各取引先に訪問の際に使用。首都圏全域の営業訪問中心のため、高速道路を使うこともしばしば。行きつけの整備工場でエンジンオイル交換。交換頻度は10,000km毎。
ロングライフならではのポイント:高速道路で運転する際は様々な油温が上がりやすい状況が考えられます。
・ハイスピードで運転することでエンジンの回転数が上がり、油温が上昇する。
・渋滞に引っ掛かることで、エンジンオイルを冷やすための冷却水が走行風によって冷えず、機能しなくなる。
特に真夏の場合ですと、油温はより上がりやすくなります。
ロングライフオイルは高油温でも安定性が高いため、粘度が落ちづらく、高温下でもエンジンをしっかり保護します。
ケース③
車種:フィット 私用車
走行距離:115,000km
使用頻度:週末趣味のゴルフや釣りに行ったり、家族で旅行など遠出が多い。子供たちと過ごす以外の自由な時間は趣味に時間を割きたいため、交換頻度はひかえめ。エンジンオイルにこだわりがないため、年1回ほどカーショップにおまかせで交換。
ロングライフオイルならではのポイント:小さなお子様がいる家庭だと、子供とつきっきりになりがち…でも、夜遅くにエンジンオイルを交換することは難しいという方は多いかと思います。例えば土日休みの方は、平日仕事で自宅に帰ったあともゆっくりできる時間は少なく、土日は子供と休みがかぶるため一緒に出掛けたいみたいな状況下だと、なかなかエンジンオイルの交換だけに時間は取りづらいかと思います。ロングライフエンジンオイルにすることで、少しでも子供やご自身の時間を多くとることができるなら、有効な手段になるかと思います。
自動車の乗り方や頻度でロングライフエンジンオイルが適しているかは変わってきます。逆に、街乗り中心の場合(一例:買い物に行くために片道20分くらいの運転など)はロングライフ関係なしに通常のAPI規格のもので充分に安定して乗ることができます。
実際に使用している方とご自身の乗り方が当てはまりそうであればぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
JDAでは初めての方でもお試ししやすい4L缶の取り扱いもありますので、ご興味がある方はぜひお試しください!
ACEA規格:C3相当
API規格:SP相当
SAE規格:5W-40
ベースオイル:全合成油
販売サイズ:4L
ACEA規格:C3相当
API規格:SP相当
SAE規格:5W-40
ベースオイル:全合成油
販売サイズ:4L×2
ACEA規格:C3相当
API規格:SP相当
SAE規格:5W-40
ベースオイル:全合成油
販売サイズ:20L
まとめ
いかがだったでしょうか。ロングライフエンジンオイルはご自身の愛車や乗り方とマッチすれば、とても心強い味方として、快適なドライブライフを支えてくれます。とても高性能なエンジンオイルであるのは間違いないため、ぜひ一度体感してみてくださいね!

日本発の中古車輸出企業からスタート。30ヶ国以上で実績を積み高品質な自動車部品の自社開発も手がけます。エンジンオイル・ブレーキパッド・オイルフィルター・エアフィルター等、こだわりのMADE IN JAPANを世界中へ届けています。