いつもJDAオフィシャルショップにご入場頂き、誠にありがとうございます。
愛車のエンジンオイルを定期的に交換していると「今より粘度を上げた方が良いのではないか」と迷われる方もいらっしゃるかと思います。なかなかメーカー推奨の粘度から変えてしまうことには抵抗がありますよね。本記事はそういった方々への判断基準になれば幸いです。
もくじ
そもそも推奨粘度と違って大丈夫なの?
エンジンオイルの交換時によく「推奨粘度と違っても大丈夫なのか」という話を伺います。結論から言うと、粘度を上げる分には問題ありません。というのもエンジンオイルはエンジンの状態で粘度を選ぶのが一番だからです。これにはエンジンオイルの役割が関係しています。
エンジンオイルの役割
エンジンオイルには「潤滑」・「密閉」・「洗浄」・「冷却」・「防錆」と大きく5つの役割がありますが、粘度を変えることで5つのうちの「潤滑」・「密閉」の効果が変わってきます。
エンジンオイルの粘度の上昇と「潤滑」・「密閉」との関係
エンジンが動くとシリンダー内にあるピストンが上下に作動します。このシリンダーとピストンの間にある隙間をクリアランスと呼び、エンジンオイルはクリアランスに油膜を挟む事でエンジンを保護しています。走行距離が増えるにつれて摩擦によりクリアランスが大きくなってくるため、粘度を上げることで油膜を厚くしクリアランスの拡大をカバーするということが粘度を上げる意味になります。つまり、保護力の高さを上げる場合は「粘度の高さ」が重要です。
粘度を指定粘度より下げるのはNG
補足になりますが粘度を下げることはNGです。上記でご説明したエンジンオイルの役割である「潤滑」・「密閉」の機能が十分に果たさずにエンジン側に必要以上の負荷をかけてしまうからです。
エンジンオイルは純正ではなくても大丈夫?
純正品は基本的に5w40など高粘度のエンジンオイルの取り扱いはありません。これは各自動車メーカーが新車時のエンジンスペックをもとにエンジンオイルの粘度を指定していることが1つの理由に挙げられます(近年はメーカー指定の粘度が徐々に低くなっている傾向にあります)。そのため高粘度のエンジンオイルを手に入れるためには各エンジンオイルメーカーが販売しているものを選ぶ必要があります。純正品ではないことに不安を覚える方もいらっしゃると思いますが、問題はありません。この理由には下記のエンジンオイル規格が関係しています。
エンジンオイルの規格とは
エンジンオイルにはAPI規格などエンジンオイルの品質を定めた規格(レベル)があります。各要素が定められた規格の数値を満たしているとその規格の表記が可能になります。例えばAPI規格のSPだとSPに求められる全ての基準が一定以上ということになります。すなわち同じ粘度・規格なら基本的に同等レベルの効果があるということになります。例えばカレーでも様々なブランドや辛さがありますよね。各メーカーによって辛さの基準がありますが、この基準がエンジンオイルだと全社共通と考えるとわかりやすいかもしれません。
各規格についてまとめた記事を載せていますので、こちらもご覧ください!
エンジンオイルの選び方~エンジンオイルの規格について~
JDAでは様々な高粘度のエンジンオイルをお手頃価格で取り扱っています。低粘度が主流になってきている昨今、高粘度のエンジンオイルの取り扱いがあるエンジンオイルメーカーは多くありません。弊社のエンジンオイルは世界中で使用されており、極寒の地域から熱帯の地域、交通量が著しく多いなど、エンジンに負担がかかる地域でも安定して使用できる耐久性・持続性があります。ぜひ一度高性能のエンジンオイルを試して頂ければと思います!
エンジンオイルの粘度を上げるメリット
ここまででエンジンオイルの粘度を上げる理由をお伝えしましたが、これから粘度を上げるメリットをまとめていきたいと思います。
エンジンの保護効果が大きくなる
「エンジンオイルの粘度の上昇と「潤滑」・「密閉」との関係」で触れましたが、粘度を上げることで油膜が厚くなり、クリアランスを埋める力が大きくなるため、摩擦を緩衝する効果が大きくなります。経年劣化を抑えるための大きな手助けとなります。
エンジンの本来の力を出せる
こちらも「潤滑」・「密閉」の役割と関連しますが、粘度をあげてクリアランスを最小限にすることで気密性が上がります。ピストンの上下作動でガス抜けが発生しづらくなり、結果的にエンジンの本来の力が出せることにつながります。
走行中の異音や白煙に効果がある
走行中の異音や白煙はエンジンオイルの粘度を上げることで解決するケースもあります。異音が発生する理由の一つに油膜の厚みが足りずに直接当たってしまっている可能性があります。白煙に関してはクリアランスが広がったことにより、エンジンオイルが直接燃焼室に入り込むことで発生している可能性があります。粘度を上げることで「潤滑」・「密閉」の効果が上がり、異音や白煙を解決できるかもしれません。
熱ダレに効果がある
停車や発進の繰り返し、渋滞走行などエンジンに負担がかかる環境の場合、エンジンオイルが高温になりやすく一時的に粘度が下がることがあります。この現象を熱ダレと呼びます。粘度が下がると上記のような問題が発生する為あらかじめ粘度を上げておくことで対策につながります。
エンジンに負担がかかる環境について下記の記事でまとめていますのでご自身の通勤環境などを振り返り、当てはまってるか確認してみてください!
エンジンオイルの選び方~粘度の見方、環境も重要!?
エンジンオイルの粘度を上げるデメリット
ここまで振り返ると粘度は高い方が良いと思われるかもしれません。ただ以下の様な場合も考えられます。
エコカーなどの車には燃費が悪化する可能性がある
車を始動する際はエンジン内部が温まっていない為、高粘度エンジンオイルだと燃費が悪化する可能性があり、特にハイブリッド車などのエコカーなどが当てはまります。ハイブリッド車は発車時や停車の際などの低速時は電気モーター、一定の速度以降はガソリンエンジン中心にすることで燃費を上げています。この低速時が電気モーターという仕様により、ガソリンエンジンに切り替える際に油温が上がりにくく、結果的に燃費が悪くなる可能性があります。そのため低温時でも始動性や燃費効率がいい0w-〇〇などの粘度をお勧めします。
JDAでは0w16や0w20の取り扱いもあります。愛車がエコカーの場合はぜひ一度低粘度・ハイブリッド対応のエンジンオイルをお試しいただければと思います。
レスポンス低下の可能性がある
先ほどの話も関係しますが、粘度を上げることで低温時のオイルがより固くなるため、エンジンオイルの一つの役割である「潤滑」の機能が始動時だと落ちる可能性があります。そのため結果的に始動性が落ちることにつながる可能性があります。
エンジンオイルの粘度を上げるタイミングは?
粘度を上げる理由はご説明した通りですが、エンジン内部の状態を実際に見て判断するということは難しいです。実際に愛車に普段から乗って体感で判断するという方もいらっしゃいますが、粘度を上げるタイミングはなかなか判断できないかと思います。もちろん普段の乗り方にも関係してきますが、目安として50,000kmごとに粘度を1つ上げる考え方があります。例えば新車時に0w20を使用していた場合は5w30に変更するという形ですね。もし粘度を上げるか迷われてる方は一つの判断基準にしてみてください!
まとめ
今回はエンジンオイルの粘度を上げるべきかどうかについてメリット・デメリット含めてお伝えしました。近年の自動車はメーカー指定粘度が低くなってきているので高粘度のエンジンオイルに変えることに抵抗がある方もいらっしゃるかと思いますが、今回の記事で少しでも参考になれば幸いです。