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エンジンオイルの交換時期になって、いざ自分自身で作業となった場合に初めて交換される方は実際にどのように進めればいいのか判らなかったり、そもそも必要なものや道具がわからない方も多くいらっしゃいますよね。今回はそのような悩みを抱える方のご参考になれば幸いです。
もくじ
エンジンオイルを自分で交換する前に
エンジンオイルの交換方法はエンジンオイルを上から抜く「上抜き」と、下から抜く「下抜き」の2つの方法があります。それぞれの方法で必要なものや道具も変わってくるのでまずはあなた自身がどちらの手順で行うかをあらかじめ決めてから準備を進めるようにしましょう!
エンジンオイルの上抜きとは?
文字の通り、エンジンオイルを「上から抜く」ため“上抜き”と呼ばれます。ボンネットをあけてオイルレベルゲージ挿入口から専用の機械(オイルチェンジャー)につながっているホースを使うことでエンジンオイルを上から吸引する仕組みですね。カンタンに言えばオイル吸引機です。
エンジンオイルを上抜きにするメリット
ここからはエンジンオイルを上抜きにするメリットを3つご紹介いたします。
作業工程が少なく、短時間での交換が可能
下抜きと異なり、車をジャッキなどで上げる動作が必要ないため、その分時間がかかりません。また、下に潜り込む動作も必要なく作業のしづらさや危険性も少ないと言えます。
廃油処理がしやすい
下抜きは「廃油受け」を使って作業を進めるのに対し、上抜きはオイルチェンジャーのホースを経由して内部にたまっていくため、飛び散ることもなく廃油を処理することができます。
上抜きしかできない車種がある
車種によっては下抜きをするための部品(ドレンボルト)が装備されていないものもあります。その場合は上抜きでしか作業をすることができません。エンジンオイル交換時に下抜きができるできないに関しては事前にドレンボルトの有無を確認しておくと安心ですね。
エンジンオイルを上抜きにするデメリット
次にエンジンオイルを上抜きにするデメリットを2つご紹介いたします。
専用の道具(オイルチェンジャー)が必要
エンジンオイルの上抜き方法で説明しましたが、オイルチェンジャーを使用することで廃油を吸い取ることができるため、オイルチェンジャーそのものが必要になってきます。
手動式・エアー式・電動式といくつかタイプがありますが、そちらについては後述の“エンジンオイルの上抜きに必要なもの・道具”で解説させていただきます。仮に手動式であればホームセンターやネット通販で約5000円前後ほどで購入することが可能です(2024年4月時点)。
車種・状況によっては廃油を綺麗に抜けないことがある
先述した通り「上抜き」はオイルレベルゲージからホースを入れて吸い上げるという特性上で、車種や状況によってはうまく廃油を抜き切れないこともあります。以下が一例です。
- オイルレベルゲージ挿入口が狭すぎてオイルチェンジャーのホースが入らない
- オイルパン(エンジンオイルを溜めておく場所)の内部にバッフル(オイルが偏らないようにする仕切り)があるためホースがうまく通らない
- エンジンオイルが冷えて粘度が固くなると吸いづらくなる
オイルチェンジャーでの吸引は「ストローを使って飲み物を飲むこと」を想像するとイメージがつきやすいかもしれません。コップの中に氷がたくさん入っている状態だと底の方は飲みづらかったり、さらさらではなくドロドロの液体だと吸いづらいですよね。その原理と同じです。
エンジンオイルの下抜きとは?
さきほどの上抜きとは逆で「車の下から廃油を抜く方法」です。
車体と地面の隙間があまりない状態では下に潜り込むことができないので、車体を上げるジャッキアップという作業を行った後にオイルパン(エンジンオイルを溜めておく場所)に備わっているドレンボルトを外すことで下からエンジンオイルが排出されるという仕組みになっています。
エンジンオイルを下抜きにするメリット
ここからはエンジンオイルを下抜きにするメリットを3つご紹介いたします。
オイルチェンジャーを購入する必要がなく、細かな調整は不要
ジャッキアップなど事前準備は必要ですが、廃油(使用済みエンジンオイル)を抜く手順自体はドレンボルトを外すことだけです。上抜きの際に使用するオイルチェンジャーのホースの調整や廃油を抜き切れたか動作確認も必要なく廃油が流れ終わるのを確認するだけで大丈夫です。
オイルを抜く技術が不要
下から重力で抜き出す工程なのでオイルパンの底に溜まっているオイルまで抜き出すことが可能で技術はいりません。オイルパンが複雑な構造の車種だと下抜きが適していると言えます。
オイルフィルターを一緒に交換できる
オイルフィルターを交換する際はジャッキアップが必要なため、オイル交換と同じタイミングでオイルフィルターを交換することも可能です。
エンジンオイルを下抜きにするデメリット
次にエンジンオイルを下抜きにするデメリットを3つご紹介いたします。
ジャッキアップをする必要がある
オイルパンが車体下にある構造上「ジャッキアップが必要」になります。オイル交換専用道具は必要ありませんがジャッキ等の道具が必要です。ジャッキにもパンダジャッキやフロアジャッキなど様々な種類がありますがこちらについては後述の“エンジンオイルの下抜きに必要なもの・道具”でご説明します。ジャッキの種類にもよりますが安ければ約3000円程で手に入ります。
上抜きに比べて時間がかかりやすく、慎重な作業が必要
廃油を抜く作業自体は上述したように手間がかからず調整も必要ないのですがジャッキアップ・ダウンや廃油の自然排出と作業工程は増えるため、時間がかかります。また、重力で廃油を抜くため、廃油が飛び散らないように廃油受けを置く必要があったり、ドレンボルトの取り外しの際にネジ山をなめないように気を付けるなどの車体下にもぐりこんで作業するため、慎重に進める必要があります。専用道具を使う上抜きとは違って時間を要するため覚えておきましょう。
自動車用メンテナンス道具が必要
さきほどオイル交換専用の道具は必要ないとお伝えしましたが、ジャッキやドレンボルトに使う新品のパッキンなど、自動車用のメンテナンス道具は必要になります。詳しくは後述の“エンジンオイルの下抜きに必要なもの・道具”の項目でご説明をさせていただきますね。
エンジンオイルの上抜き・下抜きにかかる時間は?
先述した通り上抜きに比べて「下抜きの方が時間がかかる」傾向にあります。作業時間は状況にもよりますが上抜きだと約30分、下抜きであれば約1時間程と考えておけばよいでしょう。
エンジンオイル交換は自宅でもできる?
エンジンオイルの交換は道具さえあれば自宅でも実施可能です。
特に広いスペースも必要なく、上抜きをする場合はオイルチェンジャーを置くスペース、下抜きの場合はジャッキアップができれば問題ありません。エンジンオイルはお店で交換してもらうことも可能です。次の記事で説明しているのでそちらの記事も参考にしてみてください。
⇒ エンジンオイル交換はアポなしでOK?作業にかかる時間について
エンジンオイル交換の頻度
エンジンオイルの交換は一般的に3,000km~5,000km、もしくは1年に2回が良いと言われています。1年に2回の場合、夏と冬で粘度を変えて交換してみるのもいいかもしれません。
こちらの記事で粘度の選び方について説明しているのでぜひ参考にしてみてください。
⇒ エンジンオイルの選び方~粘度の見方、環境も重要!?
エンジンオイルを自分で交換する為に必要なものや道具
先ほどまでエンジンオイルの交換には上抜きと下抜きについて説明しましたが、ここからは実際に必要なものや道具についてまとめさせていただきます。ぜひご参考くださいませ。
エンジンオイルの上抜き・下抜き共に必要なもの・道具
まず最初に「上抜き」と「下抜き」両方で使用する道具をご紹介いたします。
エンジンオイル
使用中のエンジンオイルを交換するために新しいエンジンオイルが必要ですよね。自動車用品店やネットで購入することができます。もしお持ちの車のメーカー推奨粘度を知りたい場合は下記で検索してみてください。以下バナーをクリックすると適合のオイルがすぐに見つかります。
また、JDAでは様々な粘度・最新規格の商品をお手頃価格でご提供しています。世界各国で多くのユーザーから愛用されているJDAオイルをぜひ愛車で実感していただければ幸いです。
じょうご・オイルジョッキ
エンジンオイルをこぼさずに入れるために便利な道具です。エンジンオイル缶の大半は注ぎ口がついていますが入れた直後は缶に重さがあるため安定して入れるためにはオイルジョッキ等があると方が便利です。ホームセンターやネットで500円前後で購入できます。(2024年4月時点)
オイル処理パック
取り出した廃油を処理するための道具です。オイル処理パックがないと捨てることができないので必須の道具です。ホームセンターやネットで300円前後で購入できます。(2024年4月時点)
汚れてもいい服や手袋、ウエスなど
エンジンオイル交換では上抜き下抜きに関わらず作業で汚れてしまうため作業用の服などを着用して実施しましょう。手袋は耐油性や耐熱性があるものをお勧めいたします。また廃油が飛び散ってしまったり、オイルレベルゲージを確認するときにふき取るためのウエス等も必要です。
エンジンオイルの上抜きに必要なもの・道具
上記で紹介したものに加えて「上抜き」をするときに必要な道具をご紹介いたします。
オイルチェンジャー
上抜きをする際に必須の道具になります。オイルチェンジャーには大きく手動式・エア式・電動式の3種類があります。どのように使用するかで手軽さも変わるのでぜひご参考くださませ。
手動式
ポンプのレバーでポンピングすることで真空に近い状態を作り出し、自然に廃油を吸い上げる仕組みですね。ホームセンターやネットで5000円前後で購入できます(2024年4月時点)。
手動式のメリット
持ち運びがしやすく電気等も必要ないため場所に囚われずどこでもできることがあげられます。また、作業自体も簡単なので、初心者の方でも使用しやすい道具とも言えます。
手動式のデメリット
ポンピング作業が必要なので労力がかかります。また、他の2つと比べると吸い上げ速度が遅く、1度ですべての廃油を吸い上げることは難しいので、定期的なポンピング作業と確認が必要になります。確認などで手間がかかる分、着実に作業を進めることができる道具ですね。
エアー式
エアー式はエアーコンプレッサーを使い廃油を吸い上げる仕組みのオイルチェンジャーです。手動式と併用できるタイプもあります。ホームセンターやネットでは8000円前後で購入できます。手動式と併用のものになると少し価格帯が上がるのが特徴です(2024年4月時点)。
エアー式のメリット
手動式よりも吸い上げる速度が速く、エアーコンプレッサに接続するだけなので労力不要です。
エアー式のデメリット
エアーコンプレッサーが必要になるため準備する必要があります。また、エアーコンプレッサー自体の動作音が大きいため作業する場所や時間帯が絞られることがあげられます。
電動式
電動で廃油を吸い上げる仕組みのオイルチェンジャーです。自動車のバッテリーから動力を確保するものが多いです。ホームセンターやネットで3000円弱で購入できます(2024年4月時点)。
電動式のメリット
エアー式と同様に吸い上げ速度が速く、バッテリーに接続するだけなので労力はかかりません。
電動式のデメリット
こちらもエアー式と同様に大きな音が出るので時間や場所を選びます。また、廃油受けがないため廃油受けを準備する必要があり、廃油がこぼれないように随時確認する必要があります。
どの種類のオイルチェンジャーがいいのか?
こちらに関しては好みや使用環境にもよりそうです。もしエアーコンプレッサーをお持ちの場合はエアー式でもいいかと存じますが、ない場合は手動式や電動式がよいかもしれません。初めての方は手動式なら単体で解決するのでまずは手動式から使用してみてはいかがでしょうか。
エンジンオイルの下抜きに必要なもの・道具
共通のもの・道具に加えて「下抜き」をするときに必要な道具をご紹介いたします。
ジャッキ
車体を持ち上げるために必要な道具です。ジャッキも種類があるため今回は代表的なものを紹介させていただきます。テコの原理で「車を底から持ち上げるタイプ」をよく見かけますよね。
パンダジャッキ
パンタグラフジャッキ・シザースジャッキとも呼ばれるジャッキです。アームが内側に作動すると車体が持ち上がり、外側に作動すると車体が下がるシンプルな作りのジャッキです。手動式や油圧式があります。手動式だと3000円前後、油圧式だと10000円前後でホームセンターやネットで購入できます(2024年4月時点)。油圧式であれば少し価格帯が高くなるのが特徴ですね。
パンダジャッキのメリット
なんといっても軽量で車で持ち運びができることがあげられます。また他のジャッキと比較すると安価で購入できます。割と安く手に入るので経済的な負担は最小限で抑えられます。
パンダジャッキのデメリット
もちあげる事ができる重量に限界があるため、対応できない車種があります。また、1輪のみ持ち上げる構造上、安定性に欠けることがあげられます。多少の慣れは必要かもしれません。
フロアジャッキ
ガレージジャッキとも呼ばれるジャッキです。4輪駆動となっており、レバーを動かすことで油圧の力で車体を持ち上げることができます。油圧式で8000円前後でホームセンターやネットで購入できます(2024年4月時点)。ジャッキ自体に4輪タイヤがついているため安定しています。
フロアジャッキのメリット
大型の車も持ち上げることができ、安定性があることがあげられます。
フロアジャッキのデメリット
サイズや重量があり、持ち運びが大変です。またフロアジャッキにも種類によって対応重量が違うので事前に確認する必要があります。また車高が低い車はフロアジャッキを下に差し込めない可能性があるため、その場合は「ローダウンジャッキ」を使用しなければなりません。
どの種類のジャッキがいい?
使用頻度や環境によって選ぶ基準が変わります。エンジンオイル交換、タイヤ交換のみに使用する方ならパンダジャッキでも問題ありません。(新車の場合は付属でついていることも)。普段から頻繁に車のメンテナンスをされる方はフロアジャッキを持っておいて損はないはずです。
ジャッキスタンド
ウマジャッキとも呼ばれ、ジャッキアップした車を支えるために使用する補助的に使用するジャッキです。パンダジャッキ・フロアジャッキに関わらず、安全にエンジンオイル交換をするために必要なものです。車を安定させるために使用されるジャッキと覚えておきましょう。
レンチ
エンジンオイルを取り出す際の「ドレンボルトを着脱するため」に使用します。緩いとオイルが漏れ、逆に締めすぎてしまうとネジ自体の破損につながる原因となるので注意が必要です。
オイルドレンパン(オイル受け)
下から出てくるオイルを受け止めるために必要な道具です。2000円前後でホームセンターやネットで購入できます(2024年4月時点)。使用済みのエンジンオイルを受け止める入れ物ですね。
ドレンパッキン
ドレンボルトを閉めなおす際は「新しいドレンパッキンに交換」することが推奨されています。経年劣化により、隙間からオイル漏れが起きることを防ぐための道具ですね。
オイルフィルター(エレメント)※任意
走行するにつれてエンジンオイル内で発生する酸化やスラッジをろ過し、劣化を防ぐためのものです。上抜きの場合は交換することができないため下抜きでエンジンオイルを交換する際は同時に交換することをお勧めいたします。なお、オイルフィルターにはエレメント(ろ過紙)が固定で内蔵されているタイプと着脱可能なタイプがあります。ひとことでオイルフィルターと言っても車種によって対応しているタイプも異なるため事前によく確認しておきましょう。
まとめ
今回はエンジンオイル交換の「上抜き」と「下抜き」それぞれの方法で必要なもの・道具についてご紹介いたしました。両手段とも事前に道具は必要ですが、上抜きの際はオイル交換のための道具(オイルチェンジャー)が必要なことに対し、下抜きは他の自動車メンテナンスでも使用できるものがほとんどのため、ご自身のメンテナンス頻度・状況によって判断されるのが良いかと存じます。実際の交換手順は別記事にてそれぞれをご紹介させていただきますね。
エンジンオイルの交換作業は難しいものではないので、休日などにぜひご自身で実施してみてはいかがでしょうか?愛車を自分でメンテナンスするとより一層愛着がわくと思います!
日本発の中古車輸出企業からスタート。30ヶ国以上で実績を積み高品質な自動車部品の自社開発も手がけます。エンジンオイル・ブレーキパッド・オイルフィルター・エアフィルター等、こだわりのMADE IN JAPANを世界中へ届けています。