外車(輸入車・欧州車)に同じ粘度のAPI規格エンジンオイルを使用して大丈夫?ACEA規格と違いがあるの??
いつもJDAオフィシャルショップにご入場頂き、誠にありがとうございます。
お問い合わせ頂く内容で、以下の様な質問を多く頂きます。
“ベンツ(一例、外車なら何でも)に5W-40 SPのエンジンオイルは適合しますか?5W-40 SP/C3とどのように違うのでしょうか?”
確かに粘度は同じですし、違いはC3という表記だけですよね。今回はこちらの内容について深堀していきたいと思います。
もくじ
そもそもAPI規格やACEA規格とは?
今回一例に上げたSPやC3とはいわゆる規格と呼ばれるものです。マルチグレード(○W-○○のような粘度表記)とは別に省燃費性・耐熱性・耐摩耗性などのエンジンオイルの各性能に基準を設け、全て規定値を満たした場合に対応した規格記号を付けることができます。SPはAPI規格、C3はACEA規格の規格記号になります。
API規格
- アメリカ石油協会(American Petroleum Institute)がエンジンオイルの品質を定めた規格です。エンジンオイルの品質を使用条件によって分類しています。2024年10月現在、「ガソリンエンジン用オイル」なら「SA」~「SP」までのグレードに分けられ「ディーゼルエンジン用オイル」なら「CA」~「CK」までのグレードに分類されています。日本車メーカーはエンジンオイルの推奨規格をAPI規格に設定しています。
ACEA規格
欧州自動車工業会によって2012年、2016年、2020年と4年ごとに新規定が追加されている、長距離を高速走行する機会が多いヨーロッパ仕様のオイル規格です。高温、高負荷の走行耐久性に優れています。
なぜ1つの規格だけではなく、複数の規格が存在するの?
欧州と日本では道路状況はもちろん、排ガスの規制等が異なります。そのような背景に合わせるため、日本車と欧州車の間ではエンジン設計が異なります。その結果、エンジンオイルに求められる性能の基準に少し差が出てくる点があげられます。詳しくは次の“API規格とACEA規格の違いって?”の項目で触れていきます。
API規格とACEA規格は併用できる!
API規格とACEA規格は各性能項目の規定値が異なりますが、それぞれの規格の条件を満たした場合は両方の規格の表記が可能です。
弊社が取り扱っている5W‐40 SP C3も両方の規格を満たしているため、両方の規格を表記しています。
API規格とACEA規格の違いって?
上記でAPI規格とACEA規格についてお伝えしましたが、実際にエンジンオイルでどのような違いがあるのかという点について様々な視点からお伝えしていきます。
日本とヨーロッパでは自動車の走行傾向が違う!
ヨーロッパではドイツのアウトバーンのような高速道路が一般的に広く普及されています。最大速度のリミットがない高速道路もあり走行速度が速くなる傾向から、エンジンにかかる負荷が日本より大きくなりやすいです。そのため、ACEA規格はエンジン保護性能を重要視しています。
一方日本でも高速道路はありますが、移動距離がそこまで長くない・速度制限があるなどの観点から、エンジン保護を確保しつつも省燃費性を意識したSPI規格が日本では主流になっています。
ACEA規格は油膜が厚く、過酷な条件下でも粘度低下を起こしづらい
上記ACEA規格の表に表記されているHTHS粘度という指標があります。これは高温高せん断粘度(High Temperature High Shear Viscosity)と呼ばれるものの頭文字をとったもので、油温を150℃(エンジンオイルの適正油温は90℃前後)にした過酷な状況の中でエンジンオイルの粘度を計測した指標になります。このような油温になることはめったにありませんが、この油温でも粘度が保てるなら120℃(熱ダレがおきるとされる油温の目安)でも保てるということですね。
このHTHS粘度の基準がACEA規格C3だと3.5mPa・s以上とされています(主流の粘度は5W-40)。一方日本で主流となっている0W-20のHTHS粘度は2.6mPa・s以上になります。この数字が大きいほど油膜が厚く、エンジン保護性能が上がります。一方、2.6mPa・sを切るとエンジンの摩耗がしやすくなる為、API規格の低粘度エンジンオイルはエンジンの保護性能を維持したうえで省燃費設計されています。
日本で欧州車を運転するならAPI規格でも問題ない?
「日本とヨーロッパでは走行環境がちがうけれど、日本で欧州車を運転するなら問題ないのでは?」と思った方もいらっしゃるかと思います。結論からお伝えすると、ACEA規格のエンジンオイルを使用する事を推奨いたします。
上記記載の「なぜ1つの規格だけではなく、複数の規格が存在するの?」で触れましたが、日本車と欧州車ではそれぞれの背景に合わせるためにエンジン設計が少し異なります。その一つとして高速道路などで運転する事を考慮し、欧州車は日本車に比べてエンジン内のパーツのクリアランス(パーツ間にある隙間)か多くとられています。エンジンのクリアランスを埋めなければ、エンジンの保護が足りず、異音や摩耗・焼き付きなどにつながってしまう可能性があります。そのため、エンジン保護性能の規格値が高いACEA規格を使用する方が望ましいといえるでしょう。
ACEA規格C3の高性能日本製エンジンオイルを探している場合は
欧州車の外装や乗り心地が好きな方は多くとても人気です。とはいえ、実際探してみると意外と難しいかもしれません。それは以下の理由があげられます。
日本では日本車が一番普及している関係上、ACEA規格のエンジンオイルは在庫が少ない!
いざ店頭に行ってもACEA規格のエンジンオイルは取り扱いが少ないです(取り扱いがないこともしばしば)。また欧州車は1回のエンジンオイルの交換Lが8~10Lほどで、4Lでは足りないという点も大きな点になります。
そのような時はJDA ユーロ エンジンオイル 5W-40 SP / C3 20L 全合成油をお試しください!JDAは海外に日本製の良さを広めたいという信念のもと、様々なエンジンオイルの研究に手掛けています。海外には多くの日本車のニーズがありますが、日本車以外の自動車ももちろん多く走行されています。そのような方に向けて開発した商品です!欧州車をお持ちの方はぜひお試しくださいませ。
ACEA規格C3とAPI規格SPを両立した高性能日本製エンジンオイル
ACEA規格:C3相当
API規格:SP相当
SAE規格:5W-40
ベースオイル:全合成油
販売サイズ:20L
ACEA規格C3特有の厚い油膜がエンジンをしっかり保護+始動時から高速走行時まで快適に運転できる環境を作り出し、愛車のロングライフを支え続けます。もちろんSP規格商品でもあるので、日本車でも問題なくご使用いただけます!
まとめ
今回はよくあるご質問の中の一つであるACEA規格についてお答えさせていただきました。欧州車ではACEA規格のエンジンオイルを使用することを推奨いたします。
今後もよくあるご質問についてブログで解説していきますので、ぜひ一度覗いてみてください!
日本発の中古車輸出企業からスタート。30ヶ国以上で実績を積み高品質な自動車部品の自社開発も手がけます。エンジンオイル・ブレーキパッド・オイルフィルター・エアフィルター等、こだわりのMADE IN JAPANを世界中へ届けています。