いつも通り定期的にエンジンオイルを交換しようと、休日にカーショップで交換しようと思っていたAさん。当日友人とランチをし、この後エンジンオイル交換をする予定だと伝えると、せっかくなので付き合うよと友人も付き添ってくれることに。そんな友人がAさんの自動車や使用環境を聞いた時にこんなアドバイスがあったのです。
“その車にはもしかしたら20W-50等の高粘度のエンジンオイルを入れた方がいいかもしれないね”
自動車に詳しい友達とはいえ、おすすめされた粘度はメーカー指定粘度ではなく、聞きなれない高粘度…
疑問に思ったAさんは店頭のプロの人に話を聞くことにしました。
なるほど、Aさんの友人は以下の理由で20W-50をおすすめしたんだと思うよ。順に確認していこう!
Aさんはどんな自動車に乗っていたのでしょうか。
私の自動車や使用状況はこんな感じです!
車種:トヨタ ノア
走行距離:12万km
運転年数:8年
運転頻度:週3~4回
使用目的:家族での遠出や買い物など
自動車の不調や修理歴:特になし
よくあるファミリーカーという感じだと思います!
走行距離が10万キロ弱などの過走行車である
まず走行距離を見てみたらAさんの自動車の走行距離は12kmを超えているよね。
7年前に中古車で購入して、家族みんなで乗っているんです。
となると、エンジンは新車の時に比べて摩耗や疲弊をしている可能性が高いと想定されるんだ。これは乗り方や走行場所など関係なく、12万kmも走っているとどうしても少なからず経年劣化は発生してきてしまうよね。
確かに依然と比べるとアクセルを踏んだ時などのスムーズさみたいなものはなくなってきたような…
そういった車のエンジンにはエンジンオイルでより手厚いフォローをしてあげる必要があるんだ。その一つがエンジンオイルの粘度を上げるということなんだよ。
うーん…粘度をあげることとスムーズになるということが連想しづらいなぁ…そもそもエンジンとエンジンオイルの関係性が良くわからないんですよね。
これを説明するにあたって、まずはエンジンの仕組みについて簡単に説明しよう。エンジンはガソリンなどの燃料をつかって自動車を動かすということは知っているよね。ではどのように自動車が動くのか説明すると、
①エンジン内部で燃料が燃えて小爆発を起こすことで発生したエネルギーがピストンに伝わり、ピストン運動をする
②ピストン運動によって伝わったエネルギーがクランクシャフトと呼ばれるパーツに伝わり、回転運動に変える
③タイヤが回る
ただ、この流れの中で一つ大きな問題がある。それは燃料から生まれたエネルギーが100%ピストン運動として伝わらない可能性があることなんだ。
ピストン運動はパーツ同士に少量の隙間がないとそもそもできないけれど、その隙間からエネルギーが漏れてしまうんだよね。
確かに隙間がないとそもそもピストンが動かないですもんね。
この隙間がピストン運動によってパーツ同士がこすれて摩耗することで広がっていき、さきほど話した経年劣化になるんだ。そのため、ピストン運動による摩耗を防ぎつつもエネルギーを逃がさないように隙間をできる限り埋める必要がある。そこでエンジンオイルが一役買うんだ!
エンジンオイルは潤滑油としての役割があり、ピストン運動による摩耗の緩衝材としての役割や、隙間を埋めてくれる役割があるんだよ!
エンジンとエンジンオイルの関係性については理解したんですが、粘度を上げるということがエンジンのフォローになるというのはどういうことですか?
エンジンオイルの粘度が高ければ高いほどドロッとしたオイルになるよね。これは言い換えると、エンジンオイルが作る油膜が厚くなるといえるんだ。先ほど摩耗により隙間が広がっていくと話したけど、エンジンオイルの粘度が低い場合この隙間を防ぎきれない可能性がある。高粘度エンジンオイルは特有の油膜の厚みによって隙間をふさぎ、エネルギー漏れを防ぐことができるんだ!
なるほど!そう考えると、エンジンオイルは低粘度よりも高粘度を選んだ方がいいんじゃないですか?
確かに走行距離が長い車や旧車には先ほど述べたようにしっかり隙間を埋めてくれるし保護力も高いから高粘度エンジンオイルがおすすめと言えるね!
一方、摩耗が進んでいない新車などは低粘度エンジンオイルでも隙間をしっかり埋めてくれるから問題ないよ。粘度が高い程、抵抗力も上がるから、燃費と保護性能は対となる関係といえる。
つまりエンジンが100%の力をだせるなら低粘度エンジンオイルの方が燃費が良くなるね。とはいえ、しっかり隙間を埋めた状態が一番エンジンの力を出せるから、摩耗状況によっては高粘度エンジンオイルが低粘度オイルよりも燃費が良くなる場合もある。
だからこそ、自動車に合わせたエンジンオイルが大切なんだ!
自動車の状態によってベストのエンジンオイルの粘度は違うんですね~!メーカー指定粘度のエンジンオイルしか入れてなかったです。
メーカー指定粘度はあくまで新車時のスペックを想定しているんだ。なので過走行車や旧車になってくると新車時の状態とは違うから最善と言い切れないんだよ!摩耗が進んでおり、エンジンオイルの粘度が足りてないと異音や白煙の原因にもつながるから、不安に思ったら粘度を上げるといいよ。
長距離運転、高速道路での走行が多い
ただ、もちろん走行距離以外にもおすすめできる理由があるんだ!それは走行距離が多い自動車に加えて、遠出が多い点だね!
確かに週末よくみんなで出かけたりします!子供が小さいので色々なところに連れていくことが多くて。例えば郊外にあるモールや遊園地、この前は1泊2日で旅行しました!
そうなると必然的に1時間以上運転したり、高速道路とかに乗ることもあるよね。このような場合、高粘度エンジンオイルはオススメなんだ。
これはエンジンオイルの油温が関係してくるんだ。エンジンオイルは油温が高い程、粘度は低下するという性質があるんだよ。これはエンジンオイルに限った話ではなく、身近なもので言えばガムとかがわかりやすいかな?ガムも温度が上がると柔らかくなり、低くなると固くなる。
あ!確かに熱したら柔らかくなる!金属とかもそうですもんね~
エンジンオイルも同じなんだ!それを表したものが代表性状表と呼ばれるものなんだよ。代表性状表というものを見たことはあるかい?
いえ、耳にしたことくらいしかなくてよく知らないです。
代表性状表とは、エンジンオイルメーカーがエンジンオイルの種類ごとに主要な性能を表したものだよ。例えばエンジンオイルの色や硬さなどを表しているね。エンジンオイルメーカーによってはこの代表性状表を公に公表しているんだ。以下の様な表だね。

今回はこの動粘度に注目してみよう。動粘度とは、簡単に言えば液体の流れやすさを表したもので、数字が低いほど流れやすい。温度によってエンジンオイルの粘度は変わるため、エンジンオイルメーカーは始動時を40℃、走行時を100℃と定めて、その温度の時の粘度を公表しているんだ。
これを見ると40℃の方が数字が大きいですね!100℃になると5分の1になってます!
そうなんだ。これをみるとエンジンオイルの硬さがわかるんだ。
エンジンオイルの油温について少し話を戻そう。基本的にエンジンオイルは90℃前後が理想なんだけど、長距離運転をするとどうなると思う?
その通り!もちろんエンジンにはクーラントと呼ばれる冷却水も備わっているから、簡単には油温が上がらないけれど、それでも少しずつ上がっていく。そうなった場合、粘度が想定よりも下がってしまうんだ。この現象は熱ダレと呼ばれたりするよ。
熱ダレ!聞いた事あります!エンジン本来の性能が発揮できないんですよね。
そう、でもこれは油温が上がると起きる現象だから、どの粘度のエンジンオイルでも起きてしまうんだ。
もちろん粘度低下は起きるんだけど、ベースの粘度が高い分、粘度は保たれるんだ。先ほど低粘度帯の0W-16と高粘度帯の20W-50の2つの代表性状を見せたけど、どうだろう?同じ100℃の時でも2.5倍違うのがわかるよね。0W-16の40℃(始動時)の時と20W-50の100℃(走行時)の時でも2倍しか粘度が変わらない。つまり、粘度が高いと高温時の粘度低下の対策になりやすいんだ!
なるほど!私はよく1時間以上高速道路で運転しているから、エンジンオイルの油温が上がりやすく、この条件に当てはまりやすいんですね!
他にも渋滞や信号によるストップアンドゴーを繰り返すような環境では、エンジンに負担がかかりやすくエンジンオイルの油温が下がりにくいため、有効といえるよ!
まとめ
友人がすすめてくれた理由がわかりました!ありがとうございます!
Aさんの状況なら20W-50はオススメできるけど、決して指定粘度が悪いわけではないよ。実際に使ってみて、使用感が良かったものを使えばいいと思う!
ご自身の愛車に最適なエンジンオイルを見つけるということは簡単ではありません。カレーにも甘口~辛口、同じ辛口でもメーカーによって辛さや味が違うように、エンジンオイルも相性があう・合わないはあるかと思います。だからこそ一つに絞るのではなく、様々な粘度や種類を試してご自身に合ったエンジンオイルを探してみてください!20W-50はそういった方の助けになるかもしれません。
日本発の中古車輸出企業からスタート。30ヶ国以上で実績を積み高品質な自動車部品の自社開発も手がけます。エンジンオイル・ブレーキパッド・オイルフィルター・エアフィルター等、こだわりのMADE IN JAPANを世界中へ届けています。