もしかして故障!?修理工場に持っていく前に、自動車の排気口から白煙が出てきた時の原因・対策とは

自動車は生活の上で必需品と思う方はたくさんいらっしゃるかと思います。

車通勤の方やスーパーが近くになく週1で買い物に行く方、または駅が近くにない方など様々な方が自動車を利用しています。そんな時ふと自動車に不調が出たとき困りますよね。確かに長年自動車に乗っていると経年劣化とともに修理に持っていくことが出てくるかもしれません。

ただ、問題によってはご自身で解決できるものもあります。その中の1つが、今回ご紹介させていただく白煙になります。今回記事で白煙に困っている方の助けになれば幸いです。

排気口から白煙がでる理由

白煙とは、文字通り白色の煙が発生する現象のことです。自動車の排気口(マフラー)から白煙が出る理由は大きく以下の2つに分けられます

  1. 排気口やエンジン内にあった水分が蒸発し、水蒸気になった場合
  2. エンジンオイルが燃焼し、白煙になった場合

このうち、①の水蒸気の場合は正常であるため問題ありませんが、②の場合は対応が必要です。水蒸気の場合は無臭ですが、エンジンオイルの場合は臭いがある場合が多いため判断材料になるかと思います。今回は対応が必要なエンジンオイルの場合を見ていきましょう。

時々信号待ちをしてる時、ものすごい白煙だしている人みかけるよ
見習いさん
見習いさん

エンジンオイルの燃焼による白煙

エンジンオイルの燃焼による白煙の原因は、オイル上がりと呼ばれるものとオイル下がりと呼ばれるものの2種類があげられます。両方とも本来入るはずのないエンジンオイルがエンジン内の燃焼室に入り込み、燃料とともに燃焼することで白煙が発生します。ただし、燃焼室に入り込む方法や白煙が発生するタイミングが異なるため、2種類に分けられます。各項目を説明する前にエンジンが駆動する仕組みについて確認頂けると、より理解が深まるかと思います。

エンジンが駆動する仕組みについて

エンジンは吸気→圧縮→燃焼→排気の4工程で駆動します。

  1. 吸気:ピストンが下がることで吸気バルブが開きエンジン内シリンダーに空気を取り入れる
  2. 圧縮:ピストンが上がることで、シリンダーに取り入れた空気と燃料を圧縮させる
  3. 燃焼:圧縮した状態で点火・燃焼させることで爆発を起こし、反動でピストンが下がる
  4. 排気:ピストンが上がることで、排気バルブが開き排ガスを出す

オイル上がりやオイル下がりはこの過程で発生します。

JDA
JDA
ガソリンエンジン・ディーゼルエンジンともにこの4工程は同じだよ!

オイル上がりとは

オイル上がりとは、エンジン内の部品であるピストンとシリンダーの間にある隙間(クリアランス)からエンジンオイルが燃焼室に入り込んでしまう現象のことです。

エンジンは燃料が密閉空間である燃焼室で燃焼し小爆発を起こすことで、ピストンの上下運動が行われ駆動する仕組みです。エンジンオイルはピストンの上下運動によって発生するシリンダーとの摩擦を防ぐための緩衝材としての役割を担っていますが、走行距離が延びるとともに少しずつ摩耗していきます。その結果隙間が大きくなり、発生した隙間から本来入るはずのない燃焼室にエンジンオイルが入ることで、燃焼し白煙に繋がります。

エンジン駆動の4工程で「圧縮」・「燃焼」のタイミングに当たります。この性質からピストン回転数が多くなる加速時に白煙が発生する場合はオイル上がりの可能性が高いです。

オイル上がりの対策

エンジンオイルの油膜を厚くすることで、ピストンとシリンダーにあるクリアランスを減らし、燃焼室に入り込まないようにすることが対策になります

① エンジンオイルの粘度を上げる

現在使用しているエンジンオイルよりも高い粘度のエンジンオイルを使用することで油膜が厚くなり、改善が見込めます。高粘度のエンジンオイルは取り扱いが少ないため、どれがいいかわからない方は記事後半で白煙対策の高粘度エンジンオイルをご紹介します。

② 増粘効果のある添加剤を使用する

エンジンオイルの粘度を上げるのと同じ意味合いですが、添加剤を使用することでエンジンオイルの粘度を上げる方法もあります。不調時での手軽さと即効性がメリットとして挙げられます。一方、新たにエンジンオイルを交換する際は、一段階粘度を上げたエンジンオイルを選んだ方が安上がりになることがほとんどです。

オイル下がりとは

オイル下がりとは、エンジンが燃焼のために必要な空気を取り込む・不要なガスをはき出すための吸排気バルブ(弁)からエンジンオイルが入り込む現象のことです。エンジン駆動の4工程で「吸気」・「排気」のタイミングに当たります。
空気の出し入れの際に発生するため、始動時や減速時に白煙が発生する場合はオイル下がりの可能性が高いです。

オイル下がりの対策

バルブシールと呼ばれる吸排気バルブの開閉の緩衝材を交換する事でエンジンオイルが入り込まないようにすることが対策になります。オイル下がりと感じた場合は修理工場で見てもらいましょう。

白煙をおこさないために

白煙の原因であるオイル上がり・オイル下がりは、長距離走行などによるエンジンの摩耗・経年劣化などにより発生します。摩耗の仕方には大きく3種類ありますが、全てエンジンオイルの交換で対応することができます。

  1.  金属摩擦による摩耗
    エンジン内部のピストン・シリンダーの摩擦により、パーツがすり減ってしまうパターン。先述したように、エンジンオイルの粘度を上げることで油膜を厚くし、緩衝材としての役割を強化する。
  2.  酸化・腐食による摩耗
    燃料が燃えることで酸が発生し、金属でできているエンジンパーツを溶かす・腐食してしまうパターン。エンジンオイルには酸化・腐食防止剤が入っており、アルカリ性の添加剤が入っている。アルカリ性で酸を中和することで、酸化・腐食を防ぐ。
  3.  異物混入による摩耗
    エンジンオイルの劣化や不完全燃焼によってエンジン内部に溜まったスラッジ(燃えカス・カーボン)により、パーツにこびりついてしまうパターン。エンジンオイルの役割である清浄分散性の性能が経年劣化により落ちている可能性がある。エンジンオイルを定期的に交換することでスラッジを除去し、エンジン内部を綺麗にする。

そのため、エンジンに負担をかけないようにエンジンオイルを定期的に交換する事が大切です。定期的にエンジンオイルを交換しているかどうかで摩耗・経年劣化の進行具合が大きく変わります。長く愛車に乗るためにも、定期的にエンジンオイル交換を実施し、エンジントラブルを防止しましょう。

高粘度エンジンオイルの選択で迷ったら

JDAでは最新の低粘度エンジンオイルから旧車・過走行に使える幅広いエンジンオイルを取り扱っています。各自動車メーカーが指定しているエンジンオイルの粘度は0W-16~5W-30が大半かと思います。白煙が出た場合、まずは現在使用している粘度から一段階高いエンジンオイルを選ぶことをおすすめします。例:5W-30→5W-40 5W-40→20W-50など

API規格:SP
SAE規格:5W-40
ベースオイル:全合成油
販売サイズ:4L/4Lx2/20L

API規格:SL/CF相当
SAE規格:20W-50
ベースオイル:鉱物油
販売サイズ:4L/4Lx2

まとめ

いかがでしたでしょうか。状態によっては周辺一帯が白くなるほどの白煙をだすこともありますが、エンジンオイルの交換で対応できるものもあります。エンジンは自動車のパーツで最も高価で替えが効かないものだからこそ、日ごろからのメンテナンスを心がけましょう!

関連記事

ショッピングサイトへ
TOP