エンジンオイルAPI新規格“SQ”の性能とは?SP規格との違いについて
今回は2025年3月末にアメリカ石油協会から新しく発表されるAPI規格SQの性能についてお伝えしようかと思います。エンジンオイルもSP規格が浸透しつつある中で、約5年ぶりの新規格になります。ぜひご一読ください!
もくじ
そもそも規格とは?
はじめて自動車を買う人などはなじみのない言葉かもしれません。規格商品とは、各規格毎にエンジンオイルの性能について定められた複数項目の基準を全てクリアしている商品で、記号(SPなど)で表されています。規格は1つだけではなく複数あり、国や車種によって最適な規格は変わってきます。API規格は日本の自動車メーカーが指定している、日本で最も使用されている規格になります。
API規格
アメリカ石油協会(American Petroleum Institute)がエンジンオイルの品質を定めた規格です。エンジンオイルの品質を使用条件によって分類しています。2025年2月現在、ガソリンエンジン用オイルなら「SA」~「SP」までのグレードに分けられ「ディーゼルエンジン用オイル」なら「CA」~「CK-4」までのグレードに分類されています。2025年3月末から新しくSQが追加されます。
規格に求められる基準値は新しくなるにつれて高くなる為、最新規格のエンジンオイルが一番性能が高いといえます。ただ、各自動車メーカーの指定規格は発売当時の最新規格であることがほとんどであり、指定規格が最新ではない可能性があります。
どうやら見習いさんはこのような疑問があるみたいです。






SQ規格とは?
規格についておさらいしましたが、ここからが本題のSQ規格についてです。規格グレードが変わることで省燃費性等も全体的に向上しますが、今回の内容で大きく変わるのは以下の2点になります。
耐チェーンウェア摩耗性能の向上
チェーンウェア(タイミングチェーン)エンジンの燃焼に関連する部品で、摩耗したり伸びてしまうとエンジンルームからカラカラ音などの異音が聞こえるようになります。SPから耐チェーンウェア性能の項目が重要視されましたが、SQ規格でさらに性能が向上することになりました。
背景としては省燃費化が進んだことが大きな要因です。エンジンオイルの低粘度化が進み、エンジンへの過酷な負担により、チェーンウェア摩耗が激しくなった為に基準として設けられました。つまりこのSQ規格はどちらかといえば低粘度エンジンオイルに向けたものになります。
耐LSPI性能の向上
LSPIとはLow Speed Pre Ignitionの略で、低速早期着火と呼ばれるものです。簡単に説明すると、エンジンの通常の予定点火タイミングよりも早く燃料が自然発火してしまう現象で、エンジンノッキングや不完全燃焼を起こし、エンジンへのダメージにつながってしまうものです。
上記の耐チェーンウェア摩耗性能と同様にSP規格から注目された項目ですが、SP規格と違うのは持続性能での面になります。エンジンオイルの使用距離が長くなり、使い込んだ使用油の状態での耐LSPI性能が格段に向上しました。そのため、エンジンオイル交換直後に感じるものではなく、交換から時間が過ぎたころに感じるものになります。

まとめ
いかがだったでしょうか。エンジンオイルも自動車のハイブリッド化・EV化と並行して技術は進歩し続けています。新規格SQの乗り心地をぜひ一度体感してみてください!JDAもSQ規格を取り扱う予定ですのでお楽しみに!

日本発の中古車輸出企業からスタート。30ヶ国以上で実績を積み高品質な自動車部品の自社開発も手がけます。エンジンオイル・ブレーキパッド・オイルフィルター・エアフィルター等、こだわりのMADE IN JAPANを世界中へ届けています。